寺ブログ by副住職
中の人のつぶやき
修理に出してた仏具が戻ってきて、請求書を見て・・(◎_◎;)
前回に頼んだ時とほぼ同じ内容だが、修理代は約3倍;
先日京都からいらしたこの仏具屋さんに「インフレは分かるけど、は⁉ってビックリですわ~」と言うと、部品値上がりもあるが、ただでさえ少ない職人がコロナ禍で廃業も相次いで、からの費用上がりに納期遅れが常態化していて申し訳ない、と。
特殊な修理だからそう言われたら仕方ないが・・こんなベラボウなインフレご時世には、もう迂闊に修理など頼めない;出来るだけ壊れないような扱いを考えねば。
と、そういう意味では護摩壇の扱い方を替えたのは正解だった。
去年の末に大変なホトケの供養をした際、護摩壇が焼ける事態が。10年程前にとんでもないホトケの供養をして焼けた時には天板全面作り直しで50万くらいかかったが(漆塗りですから)、昨年は一部焼けで済んだのでそこまでかからずも、安くはない・・仏具や衣系は基本高価ですけど;
修理には強化した耐熱加工をしてもらったが、問題は釜の落し。これが重さ10㎏以上はある分厚い鉄で大容量。これがいつまでも灼熱を持って壇を熱し続ける。とてもじゃないが修理代はバカにならないので、昨年末から落しを除いて炉の上に鉄鍋を置くことにした。
これが大正解。激しく焚いても火はすぐ落ち着くし、壇が2~4時間も後まで熱に晒されることもない。続けてのご祈祷もすぐに準備が出来る。
東寺の不動堂の護摩壇のように、特製の巨大鉄釜を作って炉の上に置けば、もっといいのかも↓ って、作るのにナンボかかるんだか;
壊れた錫杖、修理の見積もりをとったら新品買うのと同じくらい⁉ 特殊な金を使っている高価な錫杖だけ直して、他は見送り。
護摩杓、柄が燃えたので付け替え見積もり2万円;木の柄の付け替えだけなのに⁉~結局自分で修理。
護摩を焚くとは、仏具も衣も痛みが早いので~正規の用い方や修理にこだわっては、修繕費だけでやっていけなくなる;
いかに融通を利かせて長持ちさせるか、真剣に考えなきゃ無いこの頃。
とはいえ、衣のクリーニングは自宅では不能なので頼むしかない・・普通の洋服とは比にならないクリーニング代も、更に値上がりしてるし;
ただでさえ護摩木やトーバの連続値上げだけでも頭が痛い・・
ウチの場合は授与品に金かけ過ぎもどうよ、だが、これは住職意向だし。価値の分かる人には甲斐もあるが・・
そうそ、以前に正月法会に来て「椅子が無い」と文句垂れた人があったが、いくらな物か↓
年に一度御札申し込むだけの者が、遅く来てゆうゆうと座れる分際ではあるまい。
ついでに、先日来たカタログから仏具法具が如何ほどするか一寸見せますか↓
売れてます・・って嘘だろ~このご時世に、どんな寺ならこんなの買えるんだよ?仏の台座なら分かるが、和尚の椅子にこんな額はないって。
どこの仏具屋も、5~10年くらい前のカタログと比較すると、今はだいたい値段は倍以上になってる。物価高は分かるが、そこまで・・なんでだ?
葬式で食っていける寺には何も困らないだろうが、寺を立ち上げ/整えようとする坊さんや、祈祷を志す行者には本当に酷な時代となった。
五公五民という苦しみを民に強い続けるこの愚政は、志ある坊さん行者が祈ることさえも苦しめている。その霊的なツケはこの国を覆う霊障ともならんものを。