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大師の正御影供
3月21日、高野山では弘法大師の御衣替えが行なわれるこの日、当山では大師の誓願を奉じ祈る、正御影供法要を行ないました。
回向お申し込み頂いた精霊は、大師御本地護摩にて懇ろにご供養致しました。
回向精霊ならびに施主/参拝の願主各位には、来世そして現世に大師の同行二人の冥護をいただかれますよう、お祈り申し上げます。
・大師の言葉
【蓮華の浄しと雖も 泥を離れざるが如し】
外に目を向ければ、プーチンの蛮行にウクライナの戦火惨状。内に目を向ければ、県内拡大中のコロナ不安に深刻不況/諸の急インフレの追い打ち/挙句に震災の悪夢を呼び起こす地震、それでも庶民生活など眼中にない政治。吉凶どちらに転んでも激しく出る年回りとは年頭に申しましたが、時勢としてはキツい方向に転んでしまったようです・・
こんな世では、目にすること/向き合うこと/考えることが、暗い苦しい楽しくない・・そんな思いに晒される日々、という方も少なくないのではないでしょうか。滅入ってしまったり、酷くすると鬱気味まであるかもしれません。
しかし、世の中がこうだから仕方ない、と諦めたら、自身も腐ってしまったら、そこで終わり。
【清らかなる世界とは、泥の中からしか咲かせられないのだ】と弘法大師は喝破します。澄んだ清水だけでは蓮華は咲きません。忌むべきように思える泥こそが、あの見る者の心を奪う美しい花を育むのだ、と。
いかに逃げようとも、決して逃げられないのが人生に必ずある泥のような苦難。しかしその困難や苦しみこそが実は、人生の花実を咲かす【栄養】となるのだ、と言うのです。確かに、偉人伝や大成功を収めた著名人の自伝を読みますと、そこにはまさに泥沼というべき、人知れぬ数多の辛苦の経験が多いもの。
また、不動明王の表白には【災いを転じて福と成すの術、この尊を崇めるにあり】とありますね。災いを転じて福と成す、逆に取れば、災いが無ければ福もなし、と読めませんか?つまり「苦難」も【転換】できれば「己の力」となる、「災い」すらも「福智」になる、と。
しかし、その【転換】は容易ではありません。才力ある者は乗り越えて名を馳せますが、折れてしまいそうになるのが普通でしょう。そこを乗り越える術の一つが「修行」ですが、これまた難儀。
そんな弱き我ら凡夫を「何とか後押し/手助けしてあげたい」とするのが、仏の大悲にして現わされた法であり真言であり、弘法大師ご入定のお誓いであります。
ウクライナに生きる人々のような惨状には、転換どころか抗えぬも致し方ないことです。でも、今のところ戦火や独裁者支配下になく、そして真言密教にお大師さんにご縁のある皆さんには、その苦難も転換してくれる祈りの術とお大師さんの冥護がありましょう。
お大師さんを恃んで祈願回向され、また、お参りされてご縁を祈る皆さまには、大師の同行二人のお誓いのもと、ダヴィンチに比される大師の超絶智慧と、60代で穀断ちをしながら近畿一円を東奔西走した超絶体力にあやかるように。この困難な時勢も今後の人生の踏み台へと昇華できるよう、祈ります。
この「泥」の時代だからこそ、あきらめ腐っている場合じゃない。泥中に地力/勝機と言う「栄養」を見出し、将来に大きく美しい花実を獲るように、祈りそして新たな可能性へ一歩行動されて欲しいものです。
※今年の正御影供にお話した概要の掲載です